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執筆者の写真株式会社 エイシン・エスティー・ラボ

【トヨタ生産方式】5S活動とは?

更新日:2022年7月21日

5S活動の目的は、単に職場を奇麗にするということではなく、

もっと効率よく仕事が出来たり、トラブルを未然に防ぐことが出来たり、安全な職場環境が作れたりと、ものづくりをする上でとても重要なことがたくさんあります。


5S活動の「整理」とは?

5Sのうち、一番最初に取り掛からなければならないのは「整理」です。

「整理」と聞くと、ただお部屋を奇麗に片付けると思われるかもしれませんが、

5Sでいう整理は「要るものと要らないものを分けて要らないものを捨てる」ことです。



例えば、デスク周りが書類の山になっているとします。

いい加減片付けなきゃと思い、

とにかく全部ファイリングしておしまい。

これでは整理になっていません。

本当にその書類は保管しておかなければいけないものなのか不要なものなら裏紙として再利用したり、シュレッダーにかけて処分しましょう

では、要らないものというのは一体どのようなものがあるでしょうか。


ー要らないものリスト その1ー

"1年間1度も使っていないもの"

これは残念ながら2年後も3年後も使わない可能性が高いです。


ー要らないものリスト その2ー

"壊れているもの"

一見当たり前ですが、職場では放置されやすいです。

誰かが修理するだろう、誰かが処分するだそう、みんながそう思っています。

「放置」の一番の原因は「他責」ですので注意が必要です。


ー要らないものリスト その3ー

"手の届かない場所にあるもの"

頻繁に使うものを手の届かないところには置きません。

例えば、高い所に保管してあるものや、離れた倉庫に保管してあるものです。

定期的に、確認しておきましょう。


ー要らないものリスト その4ー

"開かずの引き出しの中に入っているもの"

引出しの中に何が入っているか開けなくてもわかりますか?

ほとんど開けることがなかったり、

ものが引出しの前に置いてあって、そもそも開けられなかったりするなら、

その引出しの中に入っているものは要らないものの可能性が高いです。



とにかく職場はもので溢れています。

これ本当に要りますか?というものが絶対にあります。

それをみんなで指摘していきましょう。

このようにして、職場の要らないものを洗い出し、

要らないものがなくなってスペースが出来た時点で、次の整頓を行っていきます。


5S活動の「整頓」とは?

「整頓」をするための重要なキーワードが『3定』です。

『3定』とは、位置、量、、この3つの定のことを言います。


1つ目の定位置とは、"置き場所を決める"ことです。

「使ったら使いっぱなし、ちゃんと元に戻しなさい!」

そう言われても、置き場所が決まっていなければ戻しようがありません。

また、○○さんがお休みだからあの書類がどこにあるかわからない。

こんなことも起こりえますよね。

必ず置き場所を決めて、それを誰に聞いてもわかるようにします。


2つ目の定量とは、必要な数量を決めて、それ以上置かない、買わないということです。

例えば、工具箱の中がぐちゃぐちゃで、よく見ると同じ工具が2個も3個も入っている…。

これは必要な工具が見つからずに、しかたなく買い増しをして買ったあとに見つかる、というパターンです。整頓が出来ていない典型的な例です。

無駄な買い物はなくしましょう。


3つ目の定品とは"表示"をすることです。

表示は「もの」と「場所」の両方に必要です。

例えば、ショッピングモールでトイレに入ろうと思ったら男性用・女性用の表示がない!

これではどちらに入って良いか分からず困ってしまいます。表示というのはとても重要なものです。


また、下の写真のように工具を置かれている工場があります。

これは見た目をよくしているわけではなく、3定を意識した作りになっているのです。

定位置・・置き場所が決まっている。

定量・・2個も3個も同じものが置けないようになっている。

定品・・ラベルで工具一つ一つに表示がされている。

仕事終わりにもし工具が1つ戻ってきていなかったとしても、一目瞭然です。

このように「整頓」は業務の無駄を省くのに非常に有効な手段となります。


5S活動の「清掃」とは?

5Sでいう清掃は、ずばり点検です。

例えば、床に小さいネジが1個落ちていたとします。

みなさんならどうしますか?拾ってゴミ箱に捨てちゃいますか?

そうです!このネジは一体どこから出てきたのかを考えなければいけません。

もし、機械設備から外れたものが落ちていたとしたら、ネジがないまま設備を動かしてしまい、トラブルの原因になります。

あるいは、作業台の上に油が1滴落ちていたとします。

これも、どこから油が垂れてきたのか、調べなければいけません。

もし同じ場所から垂れていたものだとすると、定期的に垂れてくる可能性があります。

気が付かないうちに垂れて、製品に付着していたなんてことにもなりかねません。


ご家庭でも同じことが言えます。

冷蔵庫を開けたら何かの汁がこぼれていた…

当然拭くと思いますが、何がこぼれていたか確認しますよね?

ご家庭では当たり前にやっていることが、職場にいくとなぜか出来ない、ということがたくさんあります。


そして、つねに奇麗な状態を保つことも清掃の1つです。

なぜなら、たくさんネジが落ちていたら、いつ落ちたものなのかわかりませんし、

いつも油まみれだったら、いつ垂れたのかわかりません。

異常を発見するために、毎日きちんと清掃しましょう。


5S活動の「清潔」とは?

5Sのうち、整理、整頓、清掃を3Sといいます。

3Sに取組めば、職場は目に見えて変わってきますので、高いモチベーションで取組めるのですが、これを維持するための清潔を怠ると、間違いなく元に戻ってしまいます。

清潔とは整理・整頓・清掃を続けられる仕組みを作ることです。

ルールを決めて、チェックリストを作成したり、現場の巡回を定期的に行ったりします。

そこで、5S活動を推進する5Sリーダーをぜひ決めてください。

5Sリーダーは社歴の浅い若手社員が適任です。

仮にもリーダーという責任をもつことで、今後の大きな経験となるはずです。


5S活動の「躾」とは?

躾とはルールを守り、自主的に5Sが出来る人を育てることです。

躾と聞くと、上から下に指示をするというイメージですが、5Sでいう躾はむしろ逆です。

経営者自らが5S活動を率先して行わなければなりません。

上司がルールを守れなかったら部下は守れるはずがありません。




5S活動は、業務の効率化、トラブルの未然防止、安全管理という目的の他にも、人材育成にもつながるスーパーな活動なんです。

ぜひ、みなさんの職場でも5S活動に力を入れてみて下さい。


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